スポーツ選手は感染しやすい

専門家や有識者が,スポーツ選手は免疫力が高そうだが,練習や試合で疲労したあとは免疫力が落ち,全体として考えても普通の人よりもよく風邪をひく(自然免疫力が低い)ってしばしば語っていますね.

今回島根県の高校サッカー部がクラスターとなり,寮生を中心に,90余名の感染者が出たとのことです.たしか,サッカー部の寮生は百数十名とどこかのニュースで聞いた記憶がある(今,探して見ましたが,なかなかサッカー部の寮生の数を記した記事が見つかりません)ので,その記憶が正しいとすれば,いくら共同生活をしているにしても,ものすごい率です.これも,スポーツ選手は免疫力が低いことの傍証となるでしょう.

本件もそうですが,日本のマスコミはなぜ,数ばかり挙げて,率を気にしないんでしょう.

NHKスペシャル「忘れられた戦後補償」

2020年8月15日(土)夜放送された,標記の番組見ました.

私が生まれたのは戦後十数年経ってからで,子供の頃,周りの大人の多くは,いろいろな形での戦争経験者たちでした.

何人かの伯父たちは,軍人として戦地に赴き,負傷しながらも生き延びることができたそうです(詳細は聞いたかも知れませんが忘れました).

幸いなことに,空襲や機銃掃射などで負傷したり命を失った近い親戚はいなかったようですが,栄養失調で亡くなったり,薬品や栄養不足で病死した,間接的な犠牲者はいたようです.

子供のころからずっと抱き続けていた違和感があります.旧軍人は,戦死したら旧国営の神社に神としてまつられ,また軍人恩給があり,多くの政治家たちが,旧軍人・遺族に向き合っている.その一方,民間人として,直接・間接的に戦争で命を落としたり,怪我をしたり,財産を失った人々やその遺族は政治家たちには完全に無視され,なんの保証も受けていなくて,今で言う「自己責任」扱いされていたことです.

もちろん子供のころにはこんな一言でまとめられるような気持ちではなく,漠然としていましたが.

このNHKスペシャルを見て,民間人に保証をし始めたら際限なくなる,という漠然とそんなところだろうと思っていた理由が,政府の姿勢の根本であることが,資料や当事者の証言から裏付けられました.それでも,民間人への保証の運動もある程度の規模であった中,それらが完全に黙殺されたことはまだ納得できませんでした.しかし,戦後の厚生省の官僚の多くが,旧軍の官僚たちだったという事実を聞いて腑に落ちました.

文民だったとはいえ,旧軍の官僚たちを公職に戻したことで,戦後の厚生行政が,戦後保証に関しては軍人恩給を復活された一方で民間人は完全無視というようにゆがんだり,石井部隊の流れをくむ企業が存続し得たりしたことにつながったんでしょう.

憲法の保障する,健康で文化的な最低限の生活を守るべき官庁の官僚たちが,その精神の真逆のことをしてきた軍出身だったとは.これは大きな間違いだったと思います.

今日の社会の病理である不寛容の原点は(不条理をそのまま押し通す姿勢という点で)ここにあると感じました.

NHKスペシャル「渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像~」

標記の番組見ました.最初はいきなりプロスポーツのありようをゆがめてきた野球チームが出てきたので,見るのをどうしようかと思いましたが,それなりに面白い話もあったので,結局全部見ちゃいました.

しかし,総合的な感想としては,いくら取材に応じてくれたからといって,取材対象とその盟友中曽根康弘を美化しすぎじゃないかと思いました.

また,無理があるなと思ったのは,渡辺と中曽根と田中角栄に戦争体験が共通しているって決めつけていたところです.たしかに死にそうになったことが何度かあったかもしれない点は同じかもしれませんが,意味もなく上官に殴られるような経験は兵卒であった渡辺と田中には日常だったに違いないですが,将校だった中曽根は2人たちを殴ったような上官の上のまたずっと上の殿上人のようなもんですから,戦争の日常という意味では根本的に全く異なる経験をしていたはずで,共通するのは死を身近に生きていたことだけで,他に共有するものはないでしょう.

たとえて言えば,火山噴火で同時に埋まったポンペイの奴隷と貴族かな.

まあしかし,戦争で経験した不合理・不条理に反発し,反戦,自由主義を根本としてその後の人生を歩んだはずの人が,かつては反戦,自由主義を旗印にしていたのに変質して,戦前の体制に戻そうとするようになった政党を,今日でもその「機関誌」を率い続けているんですから,実利主義とはよく言ったもんです.

ポビドンヨードうがい薬の話は肯けるところがある

昨日(2020年8月5日(水))TBSに,件のうがい薬で新コロナウイルスが減る研究をした,大阪はびきの病院の松山医師がリモート出演して,説明・質問への回答をしていました.

松山医師の説明や質問への回答は明快で感心しました.また,新型コロナ感染患者の治療をしながらという困難な状況下でこうした研究をされていることに敬意を表します.

特に重症化の防止に関しては,

  1. 新型コロナウイルスは口や喉,鼻で増殖する.
  2. それが誤嚥のような形で肺に入って肺炎を起こす(最近の知見).
  3. 口や喉,鼻のウイルスを減らせれば肺炎のリスクが減らせる.

ということで,有効性は素人にもよく解ります.

2番については,なんでマスコミがもっと早く報道してくれなかったんだよと恨みます.

誤嚥がきっかけとなると言うことで歳を取るほど重症化のリスクが高くなることも理解できます.

口腔内の衛生状態を向上させること,いろいろな病気の予防になることは知っていましたが,それが新型コロナウイルスにも有効なら,マスク,手洗いに加えて,うがい,歯磨きを推奨することで,感染拡大のリスクに加えて,もし無症状・軽症で感染している場合の重症化予防にもなります.

誤嚥に関する情報はこちらを参考にしました.

新型コロナウイルス肺炎は誤嚥性肺炎だった? (川崎高津診療所)

さらに元の論文はこれらしいです(よく読んでいません😓).

Cell: SARS-CoV-2 Reverse Genetics Reveals a Variable Infection Gradient in the Respiratory Tract, Y. J. Hou et al.

また,脳卒中を経験した人が誤嚥を起こすリスクは高く,そのため新型コロナウイルスの重症化リスクも高くなることが理解できます.

脳卒中(脳梗塞・脳出血)を経験した方へ 新型コロナウイルスについて医師が伝えたいこと (NHK)

4年に一度しか誕生日が来ない人も毎年歳を取る

ようやく暑い夏がやってきました.個人的には天候不順と言われようと寒い夏のほうが好きです.暑い夏は絶対に寿命を縮めています.

夏になると夏休みや小学校の頃全般を思い出します.担任の先生が出張か休みの時,どういう立場の先生か全く忘れましたが,何日か担当してくれることになり,「私は4年にひとつしか歳を取らないから○○歳です」って自己紹介したのをよく覚えています.閏年の2月29日生まれというわけです.

雑学好きには常識ですが,こういうことを言い出す人がいないように,法律で,誕生日の前日に歳を取るように決まっているわけです.その副作用として,4月1日生まれの子は,前の年度に組み入れられてしまうわけです.4月生まれなのに理不尽にも早生まれとして前の学年に入れられた人たちは,2月29日に生まれて,4年にひとつしか歳を取らないとほざいている人たちを恨んでください.