設定温度28℃の愚

そもそも28℃には全く科学的根拠はなく,労働・学習の現場にいる人たちの多くは,24〜27℃くらいが良いんじゃない,それも外気温に応じて多少上げ下げした方が,部屋を出入りする時のことも考えた場合,体が楽じゃないって,経験的に知ってます.

それをこのコロナ渦で,頻繁に窓を開けて空気の入れ換え(=暑い外気を入れる)をする必要があるのに,28℃とは何事だ,というもっともな意見がバズっているようです.

もちろん28℃も問題ですが,私がもっと本質的に不味いと思っているのは「設定温度」のほうです.

設定温度を28℃にして室温が28℃になるなんてことは普通は有り得ません.28℃にすべき(本当はもっと低くすべき)は,実際の室温です.設定と実際の違いっていうのは,理工的な物事の考え方をする上で必要な基礎のひとつでしょう.

とはいえ,「実際の室温」というのは実は難しい.どこをどう測るか,得られた数値をどう処理して評価するか.だから,安易に設定温度と言ってしまうんでしょうけどね.

しかし,思考停止した,張りぼて人形並みの知性の人たちが,業務命令や学校に通達を出すラインにいつづけていることは,日本の将来どころか,今が危うい.

2 thoughts on “設定温度28℃の愚”

  1. 今の職場では「適切に使用すること」という表現になってます。
    新しい建物のワンフロアのオフィスで,エアコンの吹出口が多く,各々をON/OFFできる(らしい)ので,最初から室温を一様にするという思想がないみたいです。

    1. JG3QQK/Kimuraさん,コメントありがとうございます.
      時代によってオフィスビルの空調はずいぶん変わって来たようで(もちろん予算に寄るところは多いですが),今回の新コロナ禍で,また大きく変わるんじゃないでしょうか.

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