「中国行きのスロウ・ボート」村上春樹

 

久しぶりに1冊読み終えました.

ここのところいろんな本を読み始めては,途中で読むことに耐えられなくなり,読み散らかしてきました.耐えられなくなる理由はいくつかありますが,基本的に面白くないんです.

読書家の友人の勧めでアマゾンのマーケットプレイスから中古で買った,「中国行きのスロウ・ボート」は面白かったからと言うよりは短編集なので最後までたどり着けたと思います.

その友人から聞いた通り,本のタイトルにもなっている「中国行きのスロウ・ボート」は面白かったです.

他の作品は村上が自分の作風を築きあげるための実験過程のような感じがします.安部公房をたくさん読んだ自分としては,安部公房になろうとして,なりきれなかった,あるいは,なるのをやめたと言うような感じを受けました.

貧乏な叔母さんの話,ニューヨーク炭鉱の悲劇,カンガルー通信,そしてシドニーのグリーンストリートは,正直全く理解不能です(あらすじや,細かい描写はもとより,その短編を書く意図そのものが理解不能^^; ).

土の中の彼女の小さな犬は,他の安部公房テイストと言うよりは,星新一的と感じました.

なんとかというかまあ,苦もなく読了しましたが,正直なところ村上春樹の次の1冊を読んでみたいという気持ちにはなれませんでした.

4 thoughts on “「中国行きのスロウ・ボート」村上春樹”

  1. 「中国行きのスロウ・ボート」は貧乏な叔母さんの話を読み終えたところで挫折してます^^;
    この歳になって読み始めるのはちょっとキツいな~って印象で、
    もっと若い頃に読んでいればかなりイメージが変わったかもしれません^^;

    1. 高橋さん,コメントありがとうございます.

      たしかに,とっても異質で,好き嫌い分かれそうですね.最初の,「中国行きのスロウ・ボート」は,まだ普通ですが.
      私には,「好き」ではないですが,嫌いなほどではなくて,夜寝る前に一編ずつ睡眠薬代わりに読むのにちょうどよかったです.短編集だから読めたんだと思います.

  2. 面白かったそうで何よりです。最近の長編はつまらないので昔の短編をおすすめした次第です。
    いわゆるポストモダン作家はみなそうですよね。
    アメリカ文学の翻訳の仕事をしているせいか、文章が訳文っぽいのも嫌がられる原因のようです(汗)。

    1. JF1DIRさん,コメントありがとうございました.
      また,村上春樹の入門書^^; をご紹介いただきありがとうございました.
      記事に書きましたように,意味不明なものもありましたが,全体としては楽しむことができました.

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