馬鹿か忖度か

与党間の意地の張り合いで給付する10万円を現金5万円とクーポン5万円に分けることになったようですが,それに関する大手メディアの報道が馬鹿すぎです.

クーポン支給のために事務経費が1000億円近くかかることを多くの大手メディアは「多すぎる」というスタンスで報道していますが,それが例えば500億円になれば「大幅に減らせて良かった」という姿勢で報じるんでしょうか.

そもそも最初から全部現金支給にしていれば,クーポン支給に関する費用は1円もかからないのです.現金支給は手続きが始まってから途中で金額変更ということになれば追加費用がかかるでしょうが,最初から金額が決まっていれば,5万円でも10万円でも現金支給にかかる事務手数料は変わりません.

納税者目線からすればクーポン費用は全部無駄金です.

与党の「現金だと貯蓄に回る」をこれまた大手マスコミは大本営発表の垂れ流しをしていますが,今回支給対象になっている人たちの貯蓄額はどのくらいのレベルなのか,貯蓄に回す余裕がどれほどあるのか,調べてからものを言ってもらいたいものです.

そして,巨額の事務経費がまたD通に中抜きされるのも見え見えですが,どの大手マスコミもその可能性に言及しません.そしてこれも何度も繰り返されたことが明らかになっていますが,中抜きの一部は自民党に環流します.当然,また中抜き・環流と同じことが繰り返されるのに,次の来るべき段階について大手マスコミは一切触れません.

真珠湾攻撃の記念日(やその前)に,NHKでは太平洋戦争開戦の頃のマスコミや人々の空気感を資料から読み取るような番組を放送していますが,一番反省がなく空気を醸成する危険な存在はNHKを筆頭とする大手マスコミ自体ではないでしょうか.