原価低減

「原価低減」って「原価」と「低減」という一般的な単語の組み合わせですが,自動車業界では特別な意味を持つ言葉のようです.大手メーカーが下請けに納入させる部品を継続的に値下げさせる契約です.

何年か前にどこかのテレビ局の番組で知りました.その時の取材の例では2年で1%とかいう話だったと思います.悪質なのは,それが元請け(=大手メーカー)から下請けへの一方的な要請(強要)ではなく,双方で話し合って決めた形にしているところです.

誰が考えたって,実質的には大手の優位な立場を利用した下請いじめです.

大手メーカーは空前の売上・利益を上げ続けてきました.

昨今の「賃上げ」「価格転嫁」の趨勢の中でこの原価低減はどうなったのか気になっていました.NHKでは報じませんでしたが,昨日のテレビ東京で,大手自動車メーカーは今後も今まで以上に続けると明言していました.

自分たちは過去最高の利益を上げるが下請けへは納入品の値下げを続けさせる.下請けはどうやって賃上げすりゃいいんでしょう.

そんな大手自動車メーカーから企業献金を受けている現与党の党首(総裁)で首相のおじさんは,企業献金が政策決定を歪めたことは一切ない,とこれまた見え透いた嘘をついています

大企業が見返りのない献金などするはずはない,と多くの識者が語っています.

投資はギャンブルではないよ教

ある程度確率・統計を学び,世の中は因果律に支配されていることを念頭に生きて,日頃の国内外の政治,経済などのニュースもある程度追いかけていれば,「投資はギャンブルだ」ということが自然と結論として出てきます

ところがどっこい.「投資はギャンブル」でネット検索すると,「投資はギャンブルではない」という記事がずらりとヒットします.投資はギャンブルではない原理主義の宗教が蔓延しているかのようです.

バカバカしいけどいくつかの記事を斜め読みしたところ.

  • 投資とギャンブルは元本保証でなく最終的に “自己責任” (という本質)は同じ
  • 社会貢献している将来有望な会社への投資は間接的な社会貢献

なんてことが書かれています.そう,本質は同じなんです.また2番目は重大問題ですね.競馬,競輪,競艇,オートレースファンは馬の魅力や騎手や選手たちの人柄や将来性に賭ける人も少なくないです.そうした公営ギャンブルファンを敵に回しています.

こんなことまででっち上げないと差別化ができないということなのでしょう.

逆に民間企業がうちは社会貢献しています,人材育成していますと自称したところでその裏まで取って投資している人はどれだけいるんでしょうか.

FXやバイナリーオプションに至っては,誰が見ても危険なギャンブルです.

また,一番納得いかないのは巨大地震など大規模災害に対する投資のリスクを「ないよ教」のサイトが詳しく説明していないところです.AI投資などはある程度は加味していると思いますが,それでもリスクを科学的に言われている水準まで上げるとリスクが勝ってどこにも投資できなくなると思います

投資はギャンブルだと割り切って無理なく投資する(=賭ける)のが大事だと思います.

ギャンブルは期待値1未満

そうは言ってももともと売上から胴元(公営ギャンブル主催者)の取り分を取ってから払戻金を分配する公営ギャンブルに対して,投資は得した人損した人を平均すれば元本+αになる可能性が高いので別物でしょう,って筆者もずっと考えていました.その考えを変えたのが,この最高裁判決です.

外れ馬券が必要経費に当たるという判断は常識的に考えれば当たり前の話で,特に画期的とは思いませんが,関連のニュースでこの被告は自作のソフトで馬券を購入して経常的に利益を得ていたということを知って驚きました

以後競馬は投資の対象になり得ると確信していますし,似たような投票システムの公営ギャンブルには皆その可能性があると思います.

一方で投資にもFXのようにギャンブル性が高いものもあります,というかそれこそギャンブルそのものです😅

また期待値が1未満かどうかがギャンブルと投資の違いとすると,長らく低迷していた日本の株,外貨や暗号資産など,短期・中期的には期待値が1にならない状態が多々あります

投資の経験則

  • 金持ちは投資で儲けるが貧乏人は投資しても大して儲からないか損をする
  • 金持ちは大損したら補填されるが貧乏人は全部自己責任
少なくとも投資とギャンブルに明確な境界線はない,と.
いや,それでもできてない😅
南海トラフ地震は向こう30年以内に70〜80%,首都直下地震は同じく70%.
金融証券会社にしてみれば,リスクを過小評価しても最後は「自己責任」で逃げられます
期待値は1未満.
最高裁判事にも常識があったというところが画期的かもしれません😅
合法的に利益を上げ続けていく上で外れ馬券を経費と認めたこの最高裁判決は重要です.
もちろん莫大な時間とカネをかけてシステムを完成できればの話で,自分でやるつもりは毛頭ないです😅
場合によっては長期的にも.

自己責任論は日本を滅ぼす (自己責任論3)

頭がすっきりしているうちに書き留める第3段では,自己責任論について思いを書いてみようと思います.下調べのため「自己責任論は日本を滅ぼす」でGoogle検索すると,多数のヒットがありました.同じような考えの人が多いようで少しは安心です.

検索して他の人の文章を読んでいるうちに気がついたのは,自己責任論者というのは,実は自分ではない他人の「自己責任」の追求ばかりしていると言うことです.自己責任論者というより,むしろ,他者責任論者のほうが的確です.

著名な自己責任論者何人かはいざ大きな責任が自分にのしかかってきたとき,潔く自己で責任を取ることをせず,他者(あるいは公)に頼り,見苦しい言い訳をしていたのを思い出します.

自己責任論者の態度はまさに自己中心的であり「不寛容」です.

不寛容は,格差,差別など今日の世界が抱える大きな問題の根源です.民主主義やSDGsの遂行にも障害となります.

「納税は議員の判断」

これは今年の一番の迷言になるのではないかと思います.

言うまでもなく納税は国民の三大義務の一つです.つまり「納税は国民の義務」です.

議員は,市町村会議員だろうが都道府県会議員だろうが国会議員だろうが(それぞれのセクションの)国民の代表ですから国民であるに違いありません.

「議員(個人)の判断」は,「自由」,「任意」あるいは「権利」などと言い換えられると思います.「義務」の反意語です.

そんなわけで,「国民(である議員)の納税が『自由』」などとは話になりません.

財務省は常々新たな政策に財源はどうするとか,財政規律を口やかましく言うのにそこのトップが納税は任意だなんてことを言うとは呆れてものが言えません.

ちなみに,「確定申告ボイコット」なんていう動きがあるようですが,源泉徴収で取られすぎた分を取り返すために確定申告しなけりゃならないので乗れません.

誰も納得行かないのに検察国税は納得しているのか

裏金問題です.

原価率の低いおいしい営利活動をして,売上の目標金額を超えた額はどこにも記録しないで納税もせずあるものは机の引き出しに,あるものは銀行口座に入金して保管したそうです.

これ普通の人だったらかなり厳しく責任を追求されましたよね.たとえば,大物プロデューサーだったり,著名中国料理店経営者等々.

手口も金額もわかっているのに何のお咎めなしって,桃太郎侍や破れ奉行に叩き切ってもらいたいものです.悪事を働いている者たちもそれを見逃している役人たちも.