世襲の人を尊重しない宣言

最近よく聞くのが,特にスポーツ関係者や音楽家が,「××さんをリスペクトしている」って言葉ですね.で, “respect” は,「尊敬(する)」って習いましたから,「××さんを尊敬している」じゃいけないのかと反発していましたが,いろいろ調べるとどうやら,respectはどちらかと言えば「尊重(する)」のほうが的確らしいです.じゃ,「××さんを尊重する」って言えばいいじゃないかと反発している今日この頃です.

現在われわれプロレタリアート・プレカリアートの宿敵である金持ち・大企業のための政党内で内ゲバ(外見は選挙のように取り繕っているようですが,「内閣総理大臣という政治を志したものの最終目的に到達するための,しかも公職選挙法が及ばない私的な選挙ですから,見えないところでありとあらゆる手段がとられていて,破格の現金や怪文書が飛び交い,密約・陰謀・裏切りまみれということは想像に難くない」って誰か言ってました)が起こっているようですが,その半分の候補が2世どころか3〜4世だというから呆れてものが言えません.

また,世界的大企業の世襲社長が,最近昆虫すごいぜで支持を広げた俳優とCMで共演するなどして浅薄なちまたの支持を上げていると言われています.

「そもそもテレビCMに頻繁に出てくる経営トップなどろくなもんじゃない」

とある知り合い

もし,彼がライバルの日産に就職していたらどうなったでしょう.ライバル社の御曹司(4世)が修行のために当社を選んでくれたということで,たぶんちやほやされて,係長,課長,部長待遇クラスまではトントン拍子に出世したでしょうが,その先はたぶん,「まだいるの」的な扱いで,部長待遇のまま飼い殺される(あるいは関連企業へ出向)でしょうけど,居続けることはまず有り得ないですね.そのまま日産の社長まで上り詰めることも100%ないでしょう(というか,内部昇格で大企業のトップになるという美しき伝統がほとんどなくなってきてます).

まあ,世襲で権力や地位を得た人々は,持たないものとしては羨望というか妬みというより,産まれながらの平等や公平性を著しく損なっていることにより,恨み・憎しみの対象以外の何物でもないです.

伝統的な芸術分野では,一子相伝で高度な芸術が長い間伝承されさらに高められているとされている例がいくつかあります.芸術的な部分はなんとも解りませんが,男系で何代も何十代も続いているって嘘でしょう.

今でこそ生殖医療の発達で産んだ母が100%産まれた子の母と言い切れなくなってきてますが,つい数十年前まで,母が産んだ子は,100%その母の子(遺伝的な意味において.以下も同様)ですが,父が本当の父かは保証の限りではありません.

まして,絶対に男の子を産まなければならないという今日的に明らかに人権侵害と言えるプレッシャーのもと,1人の妻が男子を産みつないでいける確率ってものすごく低いでしょう.親類から男子をもらって養子にする例を公にしている場合もありますが,その親類の男子が本当に遺伝的に繋がっているか証明できませんから,いっそ血縁でない才能のあるものを養子にした方が潔いでしょう.

そんなこんなで,才能が必要な分野において,一子相伝とか男系(に限らず血縁的な子)による継承というのは,非人間的な要素がおおいにつきまとい,遺伝的つながりについては今となっては科学的に検証できないものです.

ということで,政治・経済分野と芸術分野とでは理由が少し異なりますが,世襲はいかんです.

ここに高らかに,「世襲の人間を尊重しない」ことを宣言します.