最近納戸でネズミの被害を確認するために監視カメラを使っていて,電源を引くのが面倒なのでモバイルバッテリーを使っています .
モバイルバッテリーですが,もともと自称10Ahのものを2つ持っていました.どちらちも自称の容量は10Ahですが,十数年前に買ったiBUFFALOのものが明らかに容量が低下しているように感じたので5年ほど前に2つ目としてANKERのものを買いました.
今回の監視カメラの運用ではその2個のモバイルバッテリーを使って始めました.iBAFFALOは12時間持たないので夕方にANKERを仕掛けて,朝(15〜16時間後)iBAFFALOに交換して,また夕方(8〜9時間後)ANKERにするというローテーションにしましたが,しばしばiBAFFALOは夕方まで持たないことがあり,新しいモバイルバッテリーを買うことにしました.
あまり重くないのにしようということで,200g強のものを選んで買いました.容量は自称20Ah です.
最初に買ったiBUFFALOの10Ahと,今回買った◯✕株式会社の自称20Ahのモバイルバッテリー
一番古いiBUFFALOを引退させて,ANKERと今回新調したものとでローテーションを組みました.ANKERは軽く12時間持ちますから,新しいのは自称その倍の容量なので24時間軽く持つことを期待しましたが,全然持ちません.
(たぶん)正直者のANKER 10Ahモバイルバッテリー
そこで,測ってみることにしました.負荷は監視カメラ,ATOM Cam 2で,1日中真っ暗な納戸内で赤外線LED照射による暗視モードです.
その結果が次の表です.
メーカー(ブランド) 型番 容量 mAh (自称) 放電時間(実測値) 重さ g (実測値)
iBUFFALO BSMPB07 10800 8時間52分 (8.87h) 259
ANKER Power Core Speed 10000QC 10000 16時間50分 (16.83h) 203
◯✕株式会社 Power Bank 20000 20000 19時間33分 (19.55h) 227
出力電力量を直接測れないから,断定的なことは言えませんが,ANKERが正直ならば ◯✕株式会社のものは11.6Ahしかないことになります.まあ,ANKERが容量を少なく 偽装するのはなんのメリットもないので,この推測が正しい確率は高いです.
もうひとつ,◯✕株式会社の “偽装” の傍証があります.それは上記の条件で,12時間使用しても残量ランプの4つ中4つが点灯しているのです.ユーザーは12時間使ってもまだ4つ点いていれば楽々24時間持つなと感じると思います.ここで再充電をするような使い方を繰り返す場合24時間持つという心証が崩れません.
実際にはそこから急に3, 2, 1と点灯しているLEDが減ります.これは悪質な細工だと思います.残量計の役目をなしません.
重量エネルギー密度
冷静に,重量エネルギー密度について買う前に考えるべきでした.現在,リチウムイオンバッテリーの重量エネルギー密度は100〜243Wh/kg とされています.モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオンバッテリーの重さを200gとし,モバイルバッテリーの出力電圧を5Vとしたら,最大で,
243*.2/5=9.72 Ah
です.そう,ケースと制御回路の重さを加味したら,200g強のモバイルバッテリーの最大電力量は10Ahがいいところなのです.200g強のモバイルバッテリーで20Ahを得るには,重量エネルギー密度は,
20*5/0.2=500 Wh/kg
となります.本当だとしたら夢のバッテリーですね.
これを最初に踏まえてから製品探しをすべきでした.
今回は諦めて10Ahのモバイルバッテリーだと思って使うことにします.
注: 本当のことであっても名誉毀損・営業妨害になりかねませんので,製造元は “◯✕株式会社” としています.
まだネズミの活動は一度も捉えていません.
20000mAh.
正味10Ahならば.