日本の賃金水準はこの30年間変わらず,先進諸国には大きく水をあけられ,韓国にも抜かれてしまいました.
ただし物価も上がらなかったので国内で生活している分には,30年間絶え間なく上がり続けている社会保障の費用以外はあまり影響はありませんでした(というほど社会保障費の値上がりは小さくなかったですが).
仮に社会保障費のことは置いておいたとして,日本の物価も賃金も上がらず,A国の物価と賃金はそれぞれ2倍になったとします.そして為替レートは変わらなかったとすると,日本人がA国を旅行したりA国のものを買う場合2倍の金を払わないといけません.A国の人が日本に来たら,支払う金額は従前と変わらないとしても,自国の賃金水準・物価水準に照らして半分の支出で同じものを買い,同じサービスを受けられると言えます.
ということは実質的に為替レートが2倍になったということです.
そう,日本の円の購買力は為替レートはそれほど変わらないのにこの30年間の賃金維持で大きく損なわれたわけです.
からやや下げ.
個人的には,2006年のオーストラリア出張で実感というか痛感しました.