SIM swap 詐欺 (4) 初期の認識

SIM swap詐欺がメディアで話題になったのは数年前のようで,その頃のICTメディアの解説記事を読むと,まずSIM swapありきの前提で,解ったような解らないような解説がしてあります.

犯行は概ね以下のような流れであるとの解説です.

  1. フィッシングなどによりキャリアとの契約ID,パスワード,電話番号を抜き取る
  2. 免許証を偽造して(どうやって住所などの情報を得るのか?)窓口に出向いてSIM紛失を申し出て再発行を受ける(正規ユーザー=被害者のSIMは無効になる)
  3. 不正に入手したSIMを犯罪グループのスマートフォンに入れて起動し,銀行アプリなどを使って犯罪グループの口座に不正に送金する

しかし,SIMカードを不正に入手したからといって銀行アプリで不正アクセスするのは無理でしょう.iPhoneであったらiCloudのアカウント情報,AndroidであればGoogleのアカウント情報が最低限必要で,それらが入手できた上で二段階認証を突破できれば(たぶん電話番号が同一というだけではできないと思います)使用していたアプリが「復元」できます.また,銀行アプリのアカウント情報については復元できるかどうかはアプリ次第でしょう

最近の報道ではSIMが不正入手されてから銀行口座にアクセスされて不正に出金されるまではほんの数十分で,自分のSIMが使えないと気付いたときはたいてい手遅れだとのことです.

iCloudやGoogleのアカウントをハッキングして銀行アプリを探し出してハッキングするというのは数十分では無理でしょう.

またSIM swap詐欺が出始めた頃のICTメディアの記事にある「自分のSIMが有効か気をつける(まめにアンテナの表示を確認する)」というのはあまり意味がないことが分かります.

何が違うかというと,そもそも先にフィッシングで携帯電話の情報をだまし取ってSIMを不正に入手する,という犯行の手順です.

先にフィッシングで銀行口座をだまし取って,付随する電話番号からSIMの不正入手をする,というのが正しい😅 犯行手順と推測されます.

特定の人を狙ってフィッシングするにはSMS経由が有効ですが,SIM swapされた時点で被害者の携帯電話にSMSを送ることはできませんのでSMS経由のフィッシングは不可能です.

SIM swap 詐欺 (3) MVNOが低リスクかも

SIM swap 詐欺の被害者にならないようにするにはどうすればよいか,考えてきましたが,やはりMVNOと契約するのが一番リスクが低いと思います.

その根拠はMVNOの契約者数の少なさです.最近のデータでも全契約者のうちの10%足らずのようです.

最近の報道に寄れば,犯行グループはフィッシングなどによって銀行口座情報などを抜き取ります.また同時に得た電話番号に基づきキャリアを特定します.しかし,前の記事の考察の通り,犯行グループはMVNOの場合はどのMVNOか,それ以前にMVNOかどうかも知り得ません.

闇バイトに応募した人の写真とフィッシングで得た情報から偽造した免許証をその応募した人に渡しキャリアの窓口に出向かせます.で,もしターゲットがMVNOの契約者であったら,そこでアウトですが,その確率は10%未満です.何か勘違いしたとかごまかせばよいし,仮に捕まったとしても使い捨ての闇バイトです😔

犯行グループは闇バイトを使い捨てと認識していることは各種報道から明かですし,犯罪ですから他にもいろいろリスクがあり,MVNOである10%足らずの確率は無視できるのでしょう.

もちろん日頃からフィッシング詐欺に引っかからないように気をつけることは重要ですが,情報を抜かれても被害者はすぐには気がつかないのがこの詐欺の怖いところです.ですから,情報が抜かれたとしても被害に合わないように(=SIM swapされにくくする)できることをしておくことは重要だと思います.

MNPが普及した今日,番号からだけでは特定できないので,一度電話をかけて呼び出し音を聞き特定しているはずです.

SIM swap 詐欺 (2) 考えつく対策

最近話題になっているSIM swap 詐欺については,数年前に書かれた「オンラインだけで手続きをするMVNOが危険」と考察する記事が多数見つかります.

SIM再発行のための情報だけを抜き取るならばたしかにそうかも知れませんが,犯罪者にとっての最終目的であるネットバンキングによって不正に預金を送金して奪うためには,同じ人から銀行の口座情報もフィッシングによって抜き取らなければなりません.

それを考えると,実店舗で偽造免許証によって人間の店員をだますという手段をとれば,フィッシングで抜き取るべき情報は銀行口座情報だけで済むことになります.

一度のフィッシングによって抜き取れるであろう情報は,

  • 銀行名,本支店名,口座の種類,口座番号
  • 口座名義
  • 生年月日
  • 連絡先電話番号

が,だます場合無難なところ😓 ですが,さらにメールアドレスがあれば便利ですし,運転免許証の画像まで得られれば後の作業はかなり楽でしょうね.もし免許証の画像の入手ができない場合は住所も得て適当な免許の日付と番号を付けた免許証を偽造するのでしょう.

次にSIM をだまし取るわけですが,まずは携帯の電話番号からどこのキャリアか下調べをしますが,MNPが一般的になった今日,番号が初期に割り振られた時のキャリアと今契約しているキャリアが同じとは限りません.

そこで,ターゲットに一度電話をかけてみて,呼び出し音からキャリアを割り出すことになります.それで闇バイトに応募した人に偽造免許証を持たせてキャリアの実店舗に出向かせます.

たぶん,こんな手順でしょう.

だとすると,MVNOは安全と言うことになります.まずどこのMVNOに契約しているか,呼び出し音を聞いたところで解らないでしょう.相手がどこのMVNOと契約しているか解らない状態で,SMSによってフィッシングを仕掛けてもさすがに有効な情報は得られないと思います.

それでももしSMSで送りつけた巧妙なフィッシングにかかり,MVNO名😓とID/パスワードを抜かれたらアウトかも知れません(登録メールアドレス(IDと兼用の場合が多い)だけだと,メールアカウントまでハックしないと,パスワードを変更できません).

まただます側にもせっかく銀行口座情報を得ているのに,このおかしなSMSによって相手を警戒させて使えなくするリスクがあります.

ということで,一人の人が相当巧みであるとはいえフィッシングに2度引っかかる可能性を考えると,MVNOの方が安心と言えます.それもマイナーな会社ほど安全である確率が高そうです.

つまり,不審な不在着信が予兆としてあるのかも知れません.
そもそもMVNOなのかどうなのかさえも.

SIM swap 詐欺

数年前に一度話題になりましたが,最近またニュースになり関心を持ちました.

一般消費者として一番の関心事は,「どうすればSIM swap詐欺に遭うリスクを減らせるか」でしょう.

報道によると,最近の事件の例では,

  1. 銀行のパスワードを含む口座情報がフィッシングで抜かれる
  2. 免許証を偽造され,別人がなりすましてキャリアの窓口に行く(免許証の写真は当然その “別人” )
  3. SIMを紛失したと届け出て新たなSIMカードを発行してもらう(それと同時に被害者が持つ正しいSIMカードは無効になる)
  4. 犯行グループは,新しいSIMとフィッシングで得た情報から,ネットバンキングにより被害者の預金を不正に送金する

というような手順だそうです.3から4までは数十分以内だそうで,被害者のSIMが使えないと気がついてからキャリアに連絡を取ってもたいてい手遅れだそうです.

また,金融機関が「不審な取り引き」として検知し被害者に電話をして確認しても,電話は交換したSIMのスマホ,つまり犯行グループのスマホにかかるので,「たしかに私が送金しました」と答えられると,不正な送金を抑止できないそうです.

この例で一番驚き呆れるのは,キャリアの窓口で別人が偽の免許証を提示しても本人確認ができてしまうことです.新規契約のときに免許証など本人確認書類のコピーを取られますが,後の手続きで参照はしないのですね.

それと,いくら精巧に作られているとはいえ,免許の番号の構成や交付年月日,免許の条件などに矛盾があるはずなのですが,そういうあたりは全く何も確認していないということでしょう.いや,フィッシング時に,「本人確認書類」として免許証画像をuploadさせているのかもしれません.そうなると,顔写真以外については窓口の本人確認の甘さを責めるわけにはいかなそうです.

SIM swap詐欺について検索すると,何年か前,たぶん最初にSIM swap詐欺が話題になった頃の記事が多くヒットしますが,これらは窓口に出向かないで手続きができるMVNOが危険だと指摘するものが多いですが,実際は逆で窓口の方がざるなようです.

ちょっと考えれば解りますが,実店舗のないMVNOの場合,SIM再発行の手続きをする場合,MVNOのサイトのログイン情報(少なくともメールアドレス)まで抜かなければなりません.銀行の情報に加えて,です.それに引き換え実店舗であれば偽造であれ何であれ免許証を “本人” が持参してくればSIMの再発行は可能です.

で,どうすればよいのか.そもそもフィッシングにひっかからないようにするしかなさそうですが,どんな賢人でもプロのだましに100%引っかからないとは言い切れないと思います.そしてフィッシングは引っかかってもすぐには引っかかったと気がつかないから始末が悪いです.

スマホを複数台持ち,メインのスマホと違う番号を銀行に届け出る.しかし,フィッシングに引っかかった際銀行に届け出た番号まで抜かれているとそれも効果ないですね.

eSIMにすればよいかも,と思いましたが,お間抜けな窓口にeSIMの番号を告げて紛失したと言ったら,SIMを再発行されてしまうかも知れません.

それはともかくeSIMについてはキャリアによって再発行の手順が異なるようで,いまのところリスクの検証のしようがありません😓

闇バイトなどで雇われたと推定されます.

固定資産税の支払いに無駄に手間取る

現役時代は固定資産税や自動車税は口座自動引き落としにしていました.手間は必要なく払い忘れもないのですが,税金を能動的に納めるのではなく,天引き,棒引き,ピンハネ,搾取されているようで,あまり気持ちの良いものではありません.

そこでリタイヤしてからは自動引き落としを解除して,主体的・能動的に収めることにしました.ちょうどPayPay払いという便利な選択肢もできました.

そのPayPay払いですが,最初の1回は0.5%還元まで着いてウハウハでしたが,2回目以降は還元ゼロになりました.それでもPayPayアプリから支払書のQRコードを読み込んで実行ボタンを押すだけくらいで済んで,手間はほとんどかからなかったのでよしとしていました.

ところがどっこい今年度はeL-QRとか言う新しい共通プラットフォームに移行したとか言うのでPayPayアプリからQRコードを読み込むだけではだめなようです(あっ,試してはいなかった😓 できるようです💦).そこで,eL-QRからの支払をやってみました(この早とちりのため,以下のように無駄に手間取ったわけです😓).

インターネットバンキング連携で,ゆうちょ銀行から払おうとしましたが,どうにもこうにもうまくいきません.たぶんiOSのセキュリティーがきつくて,Safariはポップアップをデフォルトで止めていたり,その他制限しているためなのでしょう.

たぶん,eL-QRのサイトにそこらの説明が書いてあって,それに従って適切に設定すればよいのでしょうが,QRコードを読み込んでボタン何回か押して終了,というのが本来スマホでの操作のあるべき姿なので,説明読んで設定変えるなんてやってられません.ましてや,年に一度の作業です.

結局,インターネットバンキング連携はあきらめて,ペイジーのコードを発行して,パソコンのFirefoxからゆうちょダイレクトにアクセスして支払いました.

来年はもう少しましになってくれていることを期待します.PayPayで払います.

引き落としに使っていた銀行口座自体を解約したかったという事情もあります.
バーコードかも.
PayPayアプリで本人確認済が条件なようです.
むしろ,やってはいけません(個人の感想です).
少なくとも汎用webブラウザを使うのではなく,eL-QRアプリを作って配布してほしい.