数年前に一度話題になりましたが,最近またニュースになり関心を持ちました.
一般消費者として一番の関心事は,「どうすればSIM swap詐欺に遭うリスクを減らせるか」でしょう.
報道によると,最近の事件の例では,
- 銀行のパスワードを含む口座情報がフィッシングで抜かれる
- 免許証を偽造され,別人がなりすましてキャリアの窓口に行く(免許証の写真は当然その “別人” )
- SIMを紛失したと届け出て新たなSIMカードを発行してもらう(それと同時に被害者が持つ正しいSIMカードは無効になる)
- 犯行グループは,新しいSIMとフィッシングで得た情報から,ネットバンキングにより被害者の預金を不正に送金する
というような手順だそうです.3から4までは数十分以内だそうで,被害者のSIMが使えないと気がついてからキャリアに連絡を取ってもたいてい手遅れだそうです.
また,金融機関が「不審な取り引き」として検知し被害者に電話をして確認しても,電話は交換したSIMのスマホ,つまり犯行グループのスマホにかかるので,「たしかに私が送金しました」と答えられると,不正な送金を抑止できないそうです.
この例で一番驚き呆れるのは,キャリアの窓口で別人が偽の免許証を提示しても本人確認ができてしまうことです.新規契約のときに免許証など本人確認書類のコピーを取られますが,後の手続きで参照はしないのですね.
それと,いくら精巧に作られているとはいえ,免許の番号の構成や交付年月日,免許の条件などに矛盾があるはずなのですが,そういうあたりは全く何も確認していないということでしょう.いや,フィッシング時に,「本人確認書類」として免許証画像をuploadさせているのかもしれません.そうなると,顔写真以外については窓口の本人確認の甘さを責めるわけにはいかなそうです.
SIM swap詐欺について検索すると,何年か前,たぶん最初にSIM swap詐欺が話題になった頃の記事が多くヒットしますが,これらは窓口に出向かないで手続きができるMVNOが危険だと指摘するものが多いですが,実際は逆で窓口の方がざるなようです.
ちょっと考えれば解りますが,実店舗のないMVNOの場合,SIM再発行の手続きをする場合,MVNOのサイトのログイン情報(少なくともメールアドレス)まで抜かなければなりません.銀行の情報に加えて,です.それに引き換え実店舗であれば偽造であれ何であれ免許証を “本人” が持参してくればSIMの再発行は可能です.
で,どうすればよいのか.そもそもフィッシングにひっかからないようにするしかなさそうですが,どんな賢人でもプロのだましに100%引っかからないとは言い切れないと思います.そしてフィッシングは引っかかってもすぐには引っかかったと気がつかないから始末が悪いです.
スマホを複数台持ち,メインのスマホと違う番号を銀行に届け出る.しかし,フィッシングに引っかかった際銀行に届け出た番号まで抜かれているとそれも効果ないですね.
eSIMにすればよいかも,と思いましたが,お間抜けな窓口にeSIMの番号を告げて紛失したと言ったら,SIMを再発行されてしまうかも知れません.
それはともかくeSIMについてはキャリアによって再発行の手順が異なるようで,いまのところリスクの検証のしようがありません😓
闇バイトなどで雇われたと推定されます.