実質-27.8%ってバカか

今年4〜6月の実質GDPが,年率-27.8%って過日報道されましたが,バカでしょうか.

前期比7.8%を1から引いて4回かけてまた1からひくという簡単な計算をすると,このような数字になります(複利計算と同じ.ただし,金利の計算では,一年以下は通常複利計算はしません).

一時的な現象を一年間続くと仮定して計算し直す,しかもリニアでなくて,べき乗で.

大地震で起きた地盤沈下や台風接近による気圧の低下を,そのままの率で一年続くと仮定して計算するようなもんです.

発表した人たちがバカなのか,発表をそのまま伝えるマスコミが大ばかなのか.

米大統領選ニュースを見て腹が立つ

アメリカの大統領選挙,野党の候補が正式に決まり,NHKのニュースでも大きな時間を割いています.

その中で,トランプ大統領を大富豪で異質な人格,バイデン候補を妻や子を事故や病気で亡くして人の痛みが分かると評していました.

海の向こうの指導者の人格はこのように客観的に評価するのに,腰抜けNHKめ.

NHKスペシャル「忘れられた戦後補償」

2020年8月15日(土)夜放送された,標記の番組見ました.

私が生まれたのは戦後十数年経ってからで,子供の頃,周りの大人の多くは,いろいろな形での戦争経験者たちでした.

何人かの伯父たちは,軍人として戦地に赴き,負傷しながらも生き延びることができたそうです(詳細は聞いたかも知れませんが忘れました).

幸いなことに,空襲や機銃掃射などで負傷したり命を失った近い親戚はいなかったようですが,栄養失調で亡くなったり,薬品や栄養不足で病死した,間接的な犠牲者はいたようです.

子供のころからずっと抱き続けていた違和感があります.旧軍人は,戦死したら旧国営の神社に神としてまつられ,また軍人恩給があり,多くの政治家たちが,旧軍人・遺族に向き合っている.その一方,民間人として,直接・間接的に戦争で命を落としたり,怪我をしたり,財産を失った人々やその遺族は政治家たちには完全に無視され,なんの保証も受けていなくて,今で言う「自己責任」扱いされていたことです.

もちろん子供のころにはこんな一言でまとめられるような気持ちではなく,漠然としていましたが.

このNHKスペシャルを見て,民間人に保証をし始めたら際限なくなる,という漠然とそんなところだろうと思っていた理由が,政府の姿勢の根本であることが,資料や当事者の証言から裏付けられました.それでも,民間人への保証の運動もある程度の規模であった中,それらが完全に黙殺されたことはまだ納得できませんでした.しかし,戦後の厚生省の官僚の多くが,旧軍の官僚たちだったという事実を聞いて腑に落ちました.

文民だったとはいえ,旧軍の官僚たちを公職に戻したことで,戦後の厚生行政が,戦後保証に関しては軍人恩給を復活された一方で民間人は完全無視というようにゆがんだり,石井部隊の流れをくむ企業が存続し得たりしたことにつながったんでしょう.

憲法の保障する,健康で文化的な最低限の生活を守るべき官庁の官僚たちが,その精神の真逆のことをしてきた軍出身だったとは.これは大きな間違いだったと思います.

今日の社会の病理である不寛容の原点は(不条理をそのまま押し通す姿勢という点で)ここにあると感じました.

NHKスペシャル「渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像~」

標記の番組見ました.最初はいきなりプロスポーツのありようをゆがめてきた野球チームが出てきたので,見るのをどうしようかと思いましたが,それなりに面白い話もあったので,結局全部見ちゃいました.

しかし,総合的な感想としては,いくら取材に応じてくれたからといって,取材対象とその盟友中曽根康弘を美化しすぎじゃないかと思いました.

また,無理があるなと思ったのは,渡辺と中曽根と田中角栄に戦争体験が共通しているって決めつけていたところです.たしかに死にそうになったことが何度かあったかもしれない点は同じかもしれませんが,意味もなく上官に殴られるような経験は兵卒であった渡辺と田中には日常だったに違いないですが,将校だった中曽根は2人たちを殴ったような上官の上のまたずっと上の殿上人のようなもんですから,戦争の日常という意味では根本的に全く異なる経験をしていたはずで,共通するのは死を身近に生きていたことだけで,他に共有するものはないでしょう.

たとえて言えば,火山噴火で同時に埋まったポンペイの奴隷と貴族かな.

まあしかし,戦争で経験した不合理・不条理に反発し,反戦,自由主義を根本としてその後の人生を歩んだはずの人が,かつては反戦,自由主義を旗印にしていたのに変質して,戦前の体制に戻そうとするようになった政党を,今日でもその「機関誌」を率い続けているんですから,実利主義とはよく言ったもんです.

数値データに基づかない政策

7月1日からレジ袋が有料化されました.私は意識高い系なので😓,とっくの昔からスーパーやコンビニでのレジ袋を拒否してきました(たぶん10年くらい前から).

しかし,これこそ意識高い系の陥る罠にはまったのだと猛省しています(反省の為あえて自分に,意識高い系と自称する罰を与えています).

池上彰氏やNHKの解説委員なども言っていたと思いますが,実はレジ袋のプラスチック全体に占める割合は多くなく,この清水化学工業のサイトによれば,特に問題視されている漂着ゴミについては,重さも容積も点数も,1%未満なのだそうです.

同じくこのサイトによれば,量が少ないばかりでなく,実は石油精製で出る厄介者を活用し,製造エネルギーや輸送費用も紙袋に比べてずっと安いエコな製品であるそうです.

もちろん,量が少ないものでも,環境の負荷になるものを減らすことは意味のあることですが,代替物が余計に環境負荷を及ぼすようでは本末転倒になります.

たまたま生活の端々に登場するから仮想敵にされ,ポピュリズム的政策に利用されたということになります.

科学や数値データに基づかない政策を続けていれば,人類滅亡は早まるばかりです.