「原価低減」って「原価」と「低減」という一般的な単語の組み合わせですが,自動車業界では特別な意味を持つ言葉のようです.大手メーカーが下請けに納入させる部品を継続的に値下げさせる契約です.
何年か前にどこかのテレビ局の番組で知りました.その時の取材の例では2年で1%とかいう話だったと思います.悪質なのは,それが元請け(=大手メーカー)から下請けへの一方的な要請(強要)ではなく,双方で話し合って決めた形にしているところです.
誰が考えたって,実質的には大手の優位な立場を利用した下請いじめです.
大手メーカーは空前の売上・利益を上げ続けてきました.
昨今の「賃上げ」「価格転嫁」の趨勢の中でこの原価低減はどうなったのか気になっていました.NHKでは報じませんでしたが,昨日のテレビ東京で,大手自動車メーカーは今後も今まで以上に続けると明言していました.
自分たちは過去最高の利益を上げるが下請けへは納入品の値下げを続けさせる.下請けはどうやって賃上げすりゃいいんでしょう.
そんな大手自動車メーカーから企業献金を受けている現与党の党首(総裁)で首相のおじさんは,企業献金が政策決定を歪めたことは一切ない,とこれまた見え透いた嘘をついています.
大企業が見返りのない献金などするはずはない,と多くの識者が語っています.