古今東西,ものを食べるときにいろんな音を立てるのは,基本的に「下品」ということになっています.食器を当てる音もともかく,口から出る音は下の下です^^;
永谷園のお茶づけ海苔は長年愛用していますが,あのCMはいただけないですね.昔は,若い人(無名の俳優か何か)がことさら大きな音を立てて食べていました.下品も極まれりです.今は,大相撲の遠藤関がやっていて,ずいぶんましになりましたが,音を立てるのは粋じゃ無いです.
CM制作スタッフに,「美味しんぼ」を読んだのか,と言いたいところですが,「鼻血が止まらない」事件の後なので,控えておきます^^;
基本的には音を立てない日本の食事マナーですが,麺類をすするのは「例外」となっているようです.とはいえ,ズルズルあまりに大きな音を立てるのはいかがなものかと,若い頃から感じていました.
いまから10年5年くらい前でしょうか,クアラルンプールとシンガポールに,一年あけていきました.どちらの都市でも都心のラーメン店(地元の店)でラーメンを食べましたが,ふと気がつくと,ラーメンをすすって食べているのは,自分だけなのです.
2010年シンガポールにて
2011年クアラルンプールにて
世界中どこで食事をしても後ろ指をさされることは無いと自信を持っていた(根拠は無いんですが^^; )だけに,これはショックでした.周りの人に習って,音を立てずに食べてみましたが,これがなかなか難しい.すすって食べる限り音は出ます.箸で麺を絡め取り,口に入れる.熱い^^; 猫舌なのでよけい難しいです.
最後はあきらめて,なるべく音を立てずにすすって食べました.
昔,著名人の娘(彼女もそれなりに有名)が婚約を解消したときの理由の1つが,「そばを食べるときの音が下品」とかだったと思います.これ解ります.というか,クアラルンプールとシンガポールの経験で,実体験によりよく理解できました.
そばをすする音を強調して名人気取りでいる落語家の皆さんには考えてほしいです.まあ,もともと大衆芸能だからその程度のものなのかも知れませんが^^; 阿呆な役人だか政治家が大衆芸能の人を人間国宝なんかにするからいけないんです.