尾身茂会長

先日放送された「芸能ニュースマン」で,爆笑問題の太田光と政府の対策分科会の尾身茂会長の対談がありました.

高齢の偉い人って,思考が硬直化して話が通じない人が多いですが,尾身会長は口調も温和で,話の内容も柔軟で感心しました.

71歳だそうですが,専門家のトップとしていろんな意味でがんばって欲しいと思います.

某委員会前会長とか,某国前大統領とか,某国前首相とか😓

0.6ポイントの差

今日の夜のNHKニュース(地上波)を見ていて,耳を疑いました.NHKのサイトにありますが,問題の部分を引用します.

〝最も開きが大きい東京都でも0.6ポイント程度(注: 抗体が確認されたパーセンテージと感染が確認されたパーセンテージの差)となっています。
これについて厚生労働省は「感染者の比率と抗体の保有率の差はそれほど大きくない。 〟

2020年12月の調査で新型コロナウイルスの抗体が確認された人の割合は東京で0.91%,同じ時期の東京の累計の感染者の割合が0.32%で,その差が概ね0.6ポイントです.その0.6ポイントはたいしたことないと厚生省が言っているわけです.

呆れるというか何というか.もちろん,10%とかでしたら,0.6ポイントは誤差範囲です.

しかし,0.91:0.32≅3:1ですから,実際の感染者の1/3しか捕捉できていないということで,完全に市中感染が広がっていると言うことではないですか.

10:1とか,100:1とか,桁が違わなければ問題ないと言うことなんでしょうか.

COVID-19: 感染の様相が違ってきた

人口当たりの感染者数を関東地方だけ見ると,これまでは,東京が圧倒的に多く,ついで,埼玉,神奈川,千葉という,東京に隣接する3県,そして,北関東はまばらな感染という,3つのレイヤーに分かれている状況でした.

しかし,第三波と言われる現在は,東京に隣接する3県も東京化してしまい,北関東で従来の隣接3県同様に感染者が増えています.

東京はこれまでも感染経路が追えない,「市中感染」が半数以上で,想定される感染経路は無症状の若年層によるとされてきました.今それが,隣接する3県で起きていることでしょう.

それでも専門家は,症状のない人が検査を受ける必要はないという,矛盾しているとしか思えないことを言い続けています.

また,イベントの感染対策といえば,なんとかの一つ覚えで検温です.大半の無症状の感染者はフリーパスです.COCOAの義務化くらいできないんでしょうか.

こんな科学的知見に裏付けされないザルのような対策のままでいいんでしょうか.医療崩壊にまっしぐらのような気がします.

スポーツ選手は感染しやすい

専門家や有識者が,スポーツ選手は免疫力が高そうだが,練習や試合で疲労したあとは免疫力が落ち,全体として考えても普通の人よりもよく風邪をひく(自然免疫力が低い)ってしばしば語っていますね.

今回島根県の高校サッカー部がクラスターとなり,寮生を中心に,90余名の感染者が出たとのことです.たしか,サッカー部の寮生は百数十名とどこかのニュースで聞いた記憶がある(今,探して見ましたが,なかなかサッカー部の寮生の数を記した記事が見つかりません)ので,その記憶が正しいとすれば,いくら共同生活をしているにしても,ものすごい率です.これも,スポーツ選手は免疫力が低いことの傍証となるでしょう.

本件もそうですが,日本のマスコミはなぜ,数ばかり挙げて,率を気にしないんでしょう.

ポビドンヨードうがい薬の話は肯けるところがある

昨日(2020年8月5日(水))TBSに,件のうがい薬で新コロナウイルスが減る研究をした,大阪はびきの病院の松山医師がリモート出演して,説明・質問への回答をしていました.

松山医師の説明や質問への回答は明快で感心しました.また,新型コロナ感染患者の治療をしながらという困難な状況下でこうした研究をされていることに敬意を表します.

特に重症化の防止に関しては,

  1. 新型コロナウイルスは口や喉,鼻で増殖する.
  2. それが誤嚥のような形で肺に入って肺炎を起こす(最近の知見).
  3. 口や喉,鼻のウイルスを減らせれば肺炎のリスクが減らせる.

ということで,有効性は素人にもよく解ります.

2番については,なんでマスコミがもっと早く報道してくれなかったんだよと恨みます.

誤嚥がきっかけとなると言うことで歳を取るほど重症化のリスクが高くなることも理解できます.

口腔内の衛生状態を向上させること,いろいろな病気の予防になることは知っていましたが,それが新型コロナウイルスにも有効なら,マスク,手洗いに加えて,うがい,歯磨きを推奨することで,感染拡大のリスクに加えて,もし無症状・軽症で感染している場合の重症化予防にもなります.

誤嚥に関する情報はこちらを参考にしました.

新型コロナウイルス肺炎は誤嚥性肺炎だった? (川崎高津診療所)

さらに元の論文はこれらしいです(よく読んでいません😓).

Cell: SARS-CoV-2 Reverse Genetics Reveals a Variable Infection Gradient in the Respiratory Tract, Y. J. Hou et al.

また,脳卒中を経験した人が誤嚥を起こすリスクは高く,そのため新型コロナウイルスの重症化リスクも高くなることが理解できます.

脳卒中(脳梗塞・脳出血)を経験した方へ 新型コロナウイルスについて医師が伝えたいこと (NHK)