Dingo

高校生の頃からMiles Davisを聞いていて,自分の音楽の嗜好の中心軸にいつも彼の音楽がありました.

1991年9月にMilesが亡くなり,その年の暮れでしたか,DingoというMichel Legrandとの共作である同名映画のSoundtrackアルバムが,遺作としてリリースされました

発売直後に,たまたま仕事で東京に出た帰り,秋葉原の石丸電気のCD売り場に立ち寄って見つけて即購入しました.

何年も後になりますが,映画自体も見ました.地上波放送ですが😓 シドニーで見たのか,日本で見たのか記憶があいまいです.吹き替えではなかったと記憶しているので,やはりシドニーか,それとも帰国後に深夜の地上波,もしくは旧独立UHFで字幕放送されたものを見たのかも知れません.

しかし,まあ,映画ははっきり言って駄作ですね😓 素人の私が見ても突っ込みどころだらけです.若い主人公がオーストラリアの田舎を離れ,パリに着いて,どこへ行ったらMilesの演じるジャズプレーヤーに会えるか解らず,自棄になって通行人に殴りかかり,警察沙汰になるって,なんでしょうこの三文以下の脚本😓

見所と言えば最晩年のMiles Davisが,自身に重なる著名なジャズプレーヤーとして出演していることだけでしょう.

Soundtrackも残念です.Miles Davisはじめ演奏は良いんですが,やはり映画の演出の悪さがそのままあちこちに出ています.

例えばある曲で,最初のプレーヤーのソロの後,別のプレーヤーのソロが始まるのですが,それまでおとなしく聞いていた観客が猛烈な拍手を起こすのです.演奏の良さは二人とも良かったし,2番目のプレーヤーがMilesだったわけでもないです(たぶん😓)

映画でこの場面を見ても,なぜ2番目のソロプレーの時に拍手が起きたのか納得できなかったと記憶しています.

あいまいな記憶しか残っていないわけで,映画をレンタルしてもう一度じっくり見れば納得できるのか,少なくとも納得できないことに納得できるのか,そのあたりはっきりできるかも知れませんが,もう一度見たいとは思わない映画なのでやめときます.

翌1992年に,同じく遺作で,最後のスタジオ録音アルバム “Doo-Bop” が発売されたようです.
今,あらためて聞き直してみましたが,拍手と歓声が沸き起こったとき,音は明らかにMilesが吹き始めています.ですが,この映画の主人公はMilesでないので,変だと思ったのかな😓 解りません.