RasPi 3/3+/4/5 冷却ファンの効果

なんか定性的,体感的なことばかりでもしょうがないので,きっとCPU冷却効果のテストツールがあるだろうとざっと調べたらStressberryというものがあることがすぐわかりました.

単体のアプリでなく, “stress” というCPUに負荷をかけるバイナリーがあり,それを制御して温度を記録するRaspberry Pi用のPythonスクリプトが “Stressberry” です.

インストール方法や使い方はあちこちにあると思うので “stressberry” で検索してみてください.

左からRaspberry Pi 3, 3+, 4, 5 Model B

内容

Raspberry Pi 3 Model B

たぶんRaspberry Pi Model B (RPi), Raspberry Pi 2 Model B (RPi2)も持っていましたが,故障して捨てたのだと思います.今あるうちで一番古いのがRaspberry Pi 3 Model B (RPi3)です.上の写真の左端のもので,左から3番めのRPi4と同じブランドのやや大きいクーリングファンの付いたクリアケースを使っています.飛び出た配線と電子部品はLIRC用の赤外線受信器です.

さて,Stressberryによる測定結果は次のとおりです.

Raspberry Pi 3 Model B w/ fan case
Raspberry Pi 3 Model B w/ fan case

150秒間のアイドル状態のあと “stress” を4タスク動かしてCPUをフルロード状態にします.CPUの温度は29℃から急激に上がり50℃を超え,あとはなだらかに上昇して52℃に漸近し300秒間のフルロードからまたアイドルとなります.すべてのテストはこのCPUのロードのパターンで行われます.

アイドルになってから150秒後にテスト前の29℃にほぼ戻るというわかりやすいパターンでした.

Raspberry Pi 3 Model B+

冒頭の写真の左から二番目で,クーリングファンはなく,ケース全体がヒートシンクとなっているパッシブタイプです.

Raspberry Pi 3 Model B+ w/ passive case
Raspberry Pi 3 Model B+ w/ passive case

RPi3+の結果です.ファン付きのRPi3と比べるとわかりにくい感じです.CPUの温度はアイドル時の38℃からフルロードになってから急に47.5℃まであがり,それから水平な線に漸近すると思いきや,ジリジリと上がり続けます.最終的な温度は56℃でそこでアイドルとなりますが,CPUの温度は開始時の38℃には近づかず42℃からは緩く下がるようです.

このCPUの温度は30分とか1時間アイドルにしておくとテスト開始前の38℃に戻ります.

温度の上がり下がりに二重の時定数があるようです.フルロード状態を300秒よりも長く続けた場合,長い時定数の方で温度上昇がどこまで行くのか気がかりなところではあります.

Raspberry Pi 4 Model B

冒頭の写真の左から3台めです.RPi3と同じブランドのもので大きめのファンが付いています.

Raspberry Pi 4 Model B 8GB w/ fan case
Raspberry Pi 4 Model B 8GB w/ fan case

どちらかというとRPi3の温度変化のパターンに似ています.フルロード時の温度は50℃でほぼ一定になっているようです.フルロード後のアイドル150秒間ではテスト開始前の32℃までは下がりきっていませんが,RPi3+の二重時定数というほどではないようで,もう少し放置すればフルロード前の32℃まで下がりそうです.

Raspberry Pi 5 Model B + 純正ファン付きケース

冒頭の写真の右端です.Raspberry Pi純正ケースとそれに付属するファンをそのまま使っています.

Raspberry Pi 5 Model B 8GB w/ genuine case + fan
Raspberry Pi 5 Model B 8GB w/ genuine case + fan

なかなか面白いパターンです.RPi3と同様にフルロード終了後のアイドル時に短時間で開始前の温度51℃に戻ります.しかし,フルロード時の温度変化が不思議で,いったん70℃まで上がりますがその後低下して,66℃付近に漸近していきます.

生データを見てみましたが,フルロード時のクロックは2.4GHzのまま変わらないです.

RPi5のファンは専用のコネクターに接続しているので,考えられるのは温度上昇によりファンの回転数が上がったのではないかということです.回転数は測れませんがあとで観察してみます.

Raspberry Pi 5 Model B + Active Heatsink

同じRPi5ですが,純正ケース付属のファンとCPUの両面テープで付けるヒートシンクを外して,ファン付きヒートシンクをつけました.

Raspberry Pi 5 Model B 8GB w/ active heatsink
Raspberry Pi 5 Model B 8GB w/ active heatsink

パッシブなヒートシンクを使用しているRPi3+と同様の “二重時定数” と思われる温度変化のパターンになりました.

ケースに付属したファンと同じように最大の温度は70℃ですが,こちらのほうはフルロードを更に続けるともっと温度が上がりそうで不安が残ります.

Raspberry Pi 5 Model B + Active Heatsinkのファンを止めた状態

これはおまけなのですが,前項で使用したファン付きのヒートシンクのファンがどうも頼りなく見え,ファンを止めて果たしてファンが効いているのかを確認したテストです.

Raspberry Pi 5 Model B 8GB w/ active heatsink where the fan stops

CPUの温度は80℃を超え,このままフルロードを続けたらどこまで上がるかわからないような恐ろしいパターンです.まあ100℃まではまだまだ余裕がありますが.

明らかにファンの効果はあるといえます.たぶんヒートシンクのファンはそのまま使い,ケース全体も冷やすファンを付けるのが一番良さそうです.デスクトップPCはそうなっている訳です.