ジャニーズ事務所に変われという前にメディア自身が変われ

いつも見ないミヤネ屋をちらっと見てます.ジャニーズ事務所の問題を取り上げています.

この問題,大手メディアがもっと早い時期に真剣に取り上げていれば被害は拡大しなかったはずです.そして,ジャニー喜多川氏が亡くなったので事実関係がどうのこうのいってますが,それこそ生きているうちに追求すべきだったんじゃないですか.

番組開始から20分弱でこの問題終わりにして,しかもメディアとして責任が果たせなかったことに関しての検証や反省は一言もありませんでした.

今後ジャニーズ事務所で同じことは起こらないでしょうけど,メディアの反省がなければ同じような事件は今後も起こり,放置されかねません.

やっぱりミヤネ屋見るんじゃなかった😔

ウェスト

そう言えば,現役時代というかまだ若手の頃,職場内の英語研修がありました.いくつか印象に残っていることがあり,そのうちいくつかは後の英語の実践に役立ちました.

そのひとつが,「 “w”の発音を強めにする」というアドバイスです.日替わりで5人の講師から授業を受け,講師は皆さん個性的だったのですがそのうちどの講師からこのアドバイスを受けたかは記憶があいまいです.

受講生が順番にテキスト(たぶんロールプレーのようなもの)を読まされることはよくありましたが,一人の受講生の読みに対して講師が “w”の音が弱すぎると指摘しました.概して日本人の英語では “w”が弱いことがあるから意識的に唇をすぼめて強め(英語の “強め” は “長め” でもあります)に発音すると良いというアドバイスでした.

以後心がけていますが,逆に他の(日本)人が発音する “w” の弱い(=短い)発音が気になります.

特にNHKのアナウンサーです.彼らの「ウェスト」 (“west”) には心をかき乱されます.

原稿に「ウェスト」と書いてあれば,たぶん彼らは “ワ,ウィ,ウ,ウェ,ウォ” は皆同じ長さで読むと訓練を受けてきたからだと思います.だったら「ウェスト」と書くのをやめて「ウエスト」と表記した方が,日本で教えている英語講師やその講師から受けたアドバイスを守る(元)受講生の心の平穏が少しは取り戻せるのにと思います.

たしか,3週間か4週間の合宿でした.
必然的に “ウ”が短くなるし,唇をすぼめる音は日本語にはない.

円安ではなくて所得格差

CBC制作の午後のワイドショーをときどき見ています.

今日は行動制限が解除され,海外からも観光客が多く来ているというニュースをやっていました.オーストラリア人観光客に聞いたら「(オーストラリアだと外食は)一食2,500円くらいはするのに日本だと3食たべられる」といっていました.それを受けて,海外観光客増加の要因の一つに「円安」を挙げていました.

しかし,このオーストラリア人のインタビューを受けて「円安」というのは浅はかにもほどがあります.この記事を執筆している2023年5月2日(火) 14:18現在1AUD=92JPYです.これはここ十年で見て少し高め(円安)ではありますが,1回分の食費で3回も食事ができるほどの高さではありません.

筆者がシドニーにいたころ,わずか一年の間でしたが,1AUDは85JPY(1996年3月)から100JPY(1997年6月)までほとんど単調に増加しました.しかし国内の物価に大きな変化はありませんでした.また,当時のオーストラリア国内の物価は日本と比較して少し安いくらいでした(日用品,食料品や外食).

その後26年経ってもオーストラリアドルの水準は日本円に対して大きく増減していません.ところが食費が3倍と言うことは物価が上がったということでしょう.オーストラリア国内にも格差はあると思いますが,賃金水準もそれに近いくらい上がっているということになります.

そう言えば,少し前NHKで,海外で短期間働いて稼ぐ日本人の若者たちについてのレポートがありました.いくつかの例のうちの一つはオーストラリアのサーフィンで有名なビーチ(ゴールドコーストではなかったと思う)近くの農園でパートタイマーとして働いて,勤務時間外はサーフィンを楽しむというものでした.パートとは言え日本国内の正規労働よりも賃金水準が高くて,しかも時間外労働は一切ないのが魅力ということでした.

ですから,冒頭のニュースのインタビューを受けた解説は,オーストラリアなどからの海外観光客の増加は「円安」ではなくて「所得格差(物価の格差)」とすべきでした

1年3か月で17%円安(豪ドル高)になったわけです.
欧米の先進国からの観光客についても,円安より所得格差の方が大きな要因と思います.

親もカスが良い

「子はカスが良い」はちびまる子ちゃんに出てきた「迷言」です.親もカスが良いんじゃないかと最近感じています.

残念ですが自分の子供をいじめ殺してしまうような極端に悪い親もいます.では他の親は良い親なのかというと,かなりひどい親も少なくないと思います.

例えば以前読んだ大和彩著「失職女子」の親や,女優東野なぎこさんの親,フィクションでは宮部みゆきの杉村三郎シリーズの三郎の母親などです. “毒親” に分類される親たちです

世の中全体の親の良い悪いも統計的には,ガウス分布で真ん中に普通の親の山があって左右(良い悪い)に中央から分かれるほど数は少なくなっているはずです.

せっかくガウス分布にしたので偏差値で言うと,悪いほうは偏差値40以下が毒親,30以下は犯罪とのグレーゾーンの虐待で,20以下だと完全に犯罪レベルでしょう.良いほうでは偏差値60以上は良い親でしょうが,それから上は何が「良い親」に寄与する要因か解らない気もします.

良い親悪い親はまずは “子供にとって” という評価軸がありますが,極悪な親でも子は他の親と比較ができないのでそこまで悪い親だとは感じないようで,それゆえ虐待される子供たちが不憫でなりません.

ある程度以上悪い,偏差値30以下の親は子の視点からでなく世間一般の評価で測る必要があります.ひどいレベルのネグレクトや虐待は第三者から解るはずです.

その世間一般評価の視点で,良いほうの親は評価できるのか,という問題があります.例えば,子を高校に行かせずに大学入学試験検定(大検)に合格させ東大に入学させた親は,(親としての)偏差値的には80以上にデビエートしていると思いますが,それは良い悪いの軸の80なのかというと,全然別の評価軸だと思います.

アメリカの天才少年が飛び級で高校生くらいの学年で一流大学を卒業したけど,もう一度高校に入り直して高校生活を経験してとてもしあわせだと言うドキュメンタリーを見たことがあります.もちろん個人個人で高校の経験がしあわせか不幸かは違ってきますが,自分の主義・価値観で子に高校生活を体験させない親が,親の良い悪いの偏差値が客観的に80以上であると見るのは難しいと思います.

また,世間一般でなく子から見た視点の親に対するもう一つの重要な評価軸として「好き-嫌い」というのがあります.子から見た親の良い悪いの評価と大きな相関があり,たいていの人は「親はそこそこ良い親」と思っていて,「好き」だと思います.しかし,親は尊敬しているけど嫌いという人も少なくないと思います

では親が良い親だと子はしあわせなのか.これも子供の視点からと客観的な評価とは異なってくると思います.

個人的には親はある程度カスな方(といっても虐待するような親じゃ困りますが)が子供の独立心・向上心が養われて良いんじゃないかと最近では考えています.

多少の調査をしましたが,ノンフィクション作家石井光太さんの記事に事例がいろいろあるようです.この「9浪で医学部受験失敗…31歳女性が母親をメッタ刺しの特殊事情」などは生々しいです.
先日見たNHKの「プロジェクトエイリアン」の出演者の一人がそうでした.

NHK: ルポ 死亡退院 〜精神医療・闇の実態〜

昨夜は,サタデーニュースウォッチ9を見てから,ぼちぼち寝ようかなとしていたら,標記の番組が始まり,関心を引かれ,結局最後まで見てしまいました.

最近になって看護師らによる虐待や暴力が明るみになった滝山病院のルポです.

精神病院の虐待・暴力事件は昔からありますが,番組ではその実例として2つの病院の事件が紹介されました.

あれ,「朝倉病院事件」は紹介しないのかなと,不可解に思いましたが,なんと,滝山病院の現院長が朝倉病院の事件当時の院長だったという,なんとも恐ろしい現実が番組の後半に明らかにされました.朝倉病院事件もその時に紹介されました.

もしフィクションだとしたらかなり安易な設定ですが, “現実” です.悪魔のような所業を行った人物が場所を変えてまた悪魔のような所業を繰り返している.

滝山病院の内部告発による朝倉院長の発言(録音された音声)を聞くと,病院内の虐待や暴力が現場だけの問題ではなく,上から下までそういう体質であることがよく解ります.

このような人として許されぬ行為を行っている病院が,世の中の必要悪として存在するというのは何とも悲しいことで,その存在をみて見ぬ振りをして明らかにしてこなかった関係者たちの人としての罪は重いと思います.

たぶん,この種の事件で最悪だったと記憶しています.