“LSBは7048〜”と明記しなければいけないレベル

私が,電話級(現在の第4級)アマチュア無線技士の免許を取って,HFで運用を初めたころ,既に電話はSSBばかりになっていました.

しかし,国家試験の勉強をした教材にはSSBのことはほとんど出てなくて,理解したといえるまではずいぶん時間がかかったように覚えています

要するに電波は周波数に幅がある.中波のAM放送で,例えば,NHK第一の東京は,594kHzといわれているけれど,それは搬送波の周波数であって,実際には,最大で,586.5kHz〜601.5kHzの範囲に信号が出ています.

ここまでは,中学生でも何となく分かりました.何にも変調がかかっていなければ,594kHzに綺麗な搬送波があるだけですが,変調がかかると,上下に音声成分が広がる.

SSBが厄介なところは,LSBなら下側だけに,USBなら上側だけに広がり,しかも,ダイヤルが示しているキャリアポイントの周波数には,何も信号が出ていないのです

アマチュア無線の短波帯の許容占有帯域は3kHzなので,無線機のダイヤルを7045kHzに合わせてLSBを送信すると,7042〜7045kHzに電波が出るんです.これでは新しいバンドプランから逸脱することになります.

解っている人には「何をいまさら」の話なんですが^^;

というような,私が中学生のころに苦労して分かったか分からないレベルの話が,分かってない皆さんが多いようです.

JARLのバンドプランの表には,7MHz帯の図の下に,

LSBは,7048kHz〜

と明記しないといけないと思います.というか,これ書くだけでずいぶん違うと思います.

私が開局した当時,LSBで7033kHzより下はバンドプラン逸脱だとなんとか分かっていて,実際に聞いてみると,7030kHzにOTと呼ばれる人たちが入れ替わり出ていました.当時はバンドプランには法的な強制力はなかったからとはいえ,人の模範となるべき人たちがアレでは^^; その記憶があるので,”LSBは7048kHz〜”の明記はぜひ必要と思います.モラルとか何とか以前に,分かってない人多いんですから^^;;

追記(2016/07/01)

2016年現在,コンテスト規約の補足に,上記のようなことが記されています.

Notes:
1. 中学生に周波数スペクトルを理解しろといわれてもなかなか^^;
2. 占有周波数の許容値は15kHzとされています.
3. これはあくまで,理想的な場合で,現実にはいくばくかの「キャリア漏れ」があります.
中学生に周波数スペクトルを理解しろといわれてもなかなか^^;
占有周波数の許容値は15kHzとされています.
これはあくまで,理想的な場合で,現実にはいくばくかの「キャリア漏れ」があります.

5 thoughts on ““LSBは7048〜”と明記しなければいけないレベル”

  1. 全くそのとおりですね。
    またバンドプランの変更について知らない人が多いです。JARLにも入会しておらず、周りから教えてもらえてない人も多いと聞いています。

  2. SSBはわかっていても自分が送信しているのはLSBなのかUSBなのかすら意識していない人がいそうな予感が^^;

  3. DIRさん,LVEさん,コメントありがとうございます.
    アマチュア無線は,かつてはハイテクな趣味だったはずですが,共通認識のレベルを「情弱」まで下げないといけません.

  4. NHKといえば、普通594kHzですね。確かに7045kHzに出るなと言うのなら7048kHzと書くべきですね。電波法にはそう書かれているのですしょうが、バンドプランに7045kHzと書かれていたら、頭で理解していても7045kHzで送信してしまいそうです。

    1. BViさん,コメントありがとうございます.
      7045kHz〜と書いておけば,”当然解るだろう”,って,JARLの人たちは考えていたんでしょうが,JARL関係者も全員本当に解っていたんでしょうか,という疑問も生じます^^;
      最低のレベルに合わせる,というと誤解されるかもしれませんが,foolproofの考え方が重要だと思います.

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