夏目漱石の短編集です.夢十夜は高校生の時に読んだ記憶がしっかりあります.今回読んだのはその時と同じ文庫本なので,他2編である「文鳥」と「永日小品」も読んだはずです.
夢十夜はシュールな作品です.といっても,夢はだいたいシュールですよね.非日常的,非論理的,不条理であるけど,何か受け入れてしまう.たぶん,実際に見たおもしろい夢をうまく書きまとめたものと,夢風の創作とを10話そろえたのだと思います.話もだいたい覚えていました.
実際の夢とこの短編との違いは,場面や登場人物の連続性の有無だと思います.夢では先ほどまでいた人と違う人と一緒にいたり,前後で場所が全然変わったりしますよね.
文鳥も少し読んだ記憶があるような気がします.文鳥を飼ったときの日記のようなものです.
永日小品は,退屈です.ロンドン留学時代と,今日の話がランダムに出てきます.日記のようなエッセイでしょうか.ちゃんと全部読めませんでした.
まあ,私のような普通(以下? ^^; )の読者には,夢十夜以外は全くおもしろくありませんでした.