面白いだけに残念なクビ発言

たまたま初回から見ている,テレビ東京系の「行列の女神〜らーめん才遊記〜」ですが,けっこう気に入ってます.黒島結菜のあの空回りする元気さが鼻につくという人もいると思いますが,あの芸風がこのドラマにはぴったりはまっていると私は思っています.

ラーメン作りばかりでなく,いつもいろんなことを考え尽くしている鈴木京香演じるところの芹澤社長もいいんですが,唯一気に入らないのは,ことあるごとに新入社員の汐見ゆとり(黒島)に,「クビ」と言うところです.

まあ早い話がパワハラなんです.裏の裏まで考え抜いている社長が,軽々しくクビにすることに言及するっていうところが,全く理解不能です.

テレビ業界では,「クビだ」っていうことが日常的に使われる軽い言葉なんでしょうか.汐見の出自やキャラクターが特別なので,それに合わせて特別な社員教育をしているつもりなのだろうとは思いますが,もう少し他のやり方があると思います.

ただでさえ,日本では労働者が軽く見られているのに,それを是認・助長するような脚本は残念です.

あれさえなければ,このドラマは,近年のドラマでは,「びしょ濡れ探偵 水野羽衣」を抜いて最高に評価したいところでした.

2020年5月26日追記

昨夜の放送,6杯目(第6回)では,いちども「クビ」という言葉が出なくて良かったです.

むしろ,ラーメン店主の生きがいにまで関わろうって言うコンサルタントが,安易に口にすべき言葉ではない,と思いを強くした回でした.