日本にベンチャーを本気で育てるつもりがあるとは思えない

昨夜のクローズアップ現代プラスで,日本の優秀なベンチャー企業をいくつか紹介していました.

しかし,なかなか日本のベンチャーは日本の経済を支えるまでにはなりません.数が足りません.

最大の原因は資金調達の際に,金融機関が経営者(起業家)に,債務の個人保証を求めるためです.

ベンチャーなんて10社のうち1つでもうまくいけば良いんです.ということは,日本では,10人の起業家のうち9人は遅かれ早かれ会社とともに破産するしかありません(あるいは一生債務を背負う).

また,だめならさっさとやめて新しい会社を興すというのが,アメリカでは可能で,これもアメリカのベンチャーが育つ背景の一つです.しかし,日本では,会社を整理すると,当然起業家の財産も整理(破産)することになり,それを避ける(先延ばしする)ために,延命措置をして,ゾンビベンチャー化することになります.結局は傷がますます深くなるだけなんですが.

こんなこと,解っていながら若い人に勧められませんよ.

以前にもこんなこと書いたなと思ったらありました^^;

だからアメリカに行く,という中村修二氏の言い分は正しいと思います.

日本でベンチャーが育ちにくい主因

ベンチャー企業と言えば聞こえは良いですが,要は零細企業です.ちょっとうまくいって成長しても中小企業です.零細企業や中小企業が資金を調達しようとすると,金融機関は,経営者に個人保証を求めます.

ちょっとこの世界のことを勉強すればわかることですが,このことが日本でベンチャーが育ちにくくしている原因の一つ,というか,最大の原因です

資金調達の障害となると言うことばかりでなく,会社の整理をしにくくしています.

住宅ローンも似たようなもんで,とにかく日本の金融機関はリスク取らなすぎです.大手銀行は景気の好不調にかかわらず莫大な収益を上げ続けていることからもそのことが裏付けられますね.

日本が発展途上国だった頃からの制度・商習慣がそのまま残っている,ってことなんでしょうか.

大手金融機関は「科学技術創造立国」のために,リスク取れ!

このことは,ノーベル賞受賞が決まった中村修二氏がメディアに語っていますが,メディアの扱いは少ないですね.